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待機児童数の改善に成功した新潟県

やる気に満ち溢れている役人

新潟県の待機児童の問題

新潟県の県庁所在地である新潟市は待機児童ゼロ。10年連続で待機児童ゼロという実績から、新潟市は子育てのしやすい街として知られています。平成31年2月には、入園申し込み時点で希望する子どもすべてが保育園に入園しており、待機児童ゼロを達成。全国的に見ても子育てしやすい環境であることがうかがえます。その要因には新潟市が人口1万人当たりの保育所の数が政令市第1位であり、新潟市が取り組んできた保育政策が役立っているようです。しかし、潜在的な待機児童が多く、統計や数字の捉え方や入園申し込み方法について、保護者から疑問の声も上がっています。

改善への取り組み

新潟市では待機児童ゼロのために、保育士の待遇や保育園の現場の改善に力を入れています。保育士として働いている人に対しては、さらなるキャリアアップを目指して「保育士に対する幼稚園免許期限付き特例制度」を実施。保育園や幼稚園で働くのに必要な免許の取得を促すことによって、保育士が働きやすいように支援しています。

保育士に対する幼稚園免許の期限付き特例制度 – 新潟県ホームページ

尚、新潟県内の教育機関で幼稚園免許を取得することも可能で、総合大学として有名な新潟大学の教育学部があります。
新潟大学の五十嵐キャンパス付近は商業施設もたくさんあり、学生マンションなどの物件もたくさんあるので一人暮らしの学生でも生活しやすい環境が整っていて資格取得のための勉強も捗るでしょう。

教育学部 – 新潟大学公式ホームページ

その他にも、経験豊富な保育士に対しては、給与への加算をして、働き続けてもらうための仕組みづくりにも積極的。
待機児童を持つパパやママに向けて、保育施設への入園状況をホームページで公表。子どもを預けたいと思った時に対応できるようにしています。その他にも、一時預かりやファミリーサポートを行う団体もあり、預かりや送り迎えなどに利用可能です。

今後の課題

新潟県は全国的に見ても待機児童の数が少ない県です。
だからと言って「我が子が確実に希望通りの保育園に入れる」ということとイコールではないという現実もあります。

新潟県ではさらなる「待機児童ゼロ」を目指しており、数字には出てきていない待機児童の把握や、保育園に入りたい人のために、保育園の最新情報を提供していくことなどにも努めています。
保育士の業務は国家資格がなければできない仕事でありながらも、1日の中でさまざまな業務をこなす一方で支払われる賃金などの待遇が低いことでも有名。
国を中心に賃金を約7%引き上げるなどして対策をすすめているものの、現場である保育園では人材確保に頭を悩ませているようです。

実質的な待機児童の数を減らすことを目的として、資格を持っていながら保育士として働いていない潜在保育士が働きやすいように保育園への就職、または短時間労働でも働けるような仕組みづくりに取り組んでいます。